身近に感じられるノーベル賞受賞の大村智さん

今回ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智さんはエリート街道まっしぐらという研究者ではありませんでした。
彼は山梨生まれて、ここで高校と大学へ通います。そして大学を卒業してからは定時制高校の教師として働いていましたが、昼間働き夜学ぶ生徒の姿をみて自らもう一度学びなおす決意をして東京理科大の大学院へ進み化学を専攻しました。
また弟が東大に進学して上京してくると、その弟を養うためにさらにアルバイトもしていたとか。この頃は睡眠時間がかなり少なかったようです。

さsて大村さんが今回受賞したノーベル賞はゴルフ場の土の中から発見した放線菌を使用して開発した熱帯病のワクチン「エバーメクチン」の研究の成果に与えられたものでした。
このワクチンのおかげで何万人もの人が助かっているというから、やはりすごい功績を残した人だと言えます。
しかし大村さんはとても謙虚な方らしく、ノーベル賞は微生物にあげて欲しいと言ったそうです。

彼はこれらの薬の特許で得たお金で地元山梨に美術館を寄贈しています。研究者の顔だけではなく美術を愛し、保護するという文化人の顔を持ち合わせています。

また少年時代からスポーツが大好きで高校時代にはスキーの国体に2度出場した経歴も持っているスポーツマンでもあります。
大村さんはこの時のスポーツで鍛えた精神が、後の研究に役立っていると語っています。

他にも20年以上実行していることが本を読んだあとに感銘を受けた言葉を日記帳に書きためていて、ここから新しい発見をすることがあると述べているのも印象的です。

とにかく幅の広い面白い人間だと感じます。

現在は親が子供の将来のためにと学習塾へ通わせ、有名私立中学や高校へ行かせるのが王道とされる時代です。しかし大村さんのように経験から色々なことにチャレンジする精神を得ることが実は大切なのではと思います。
大村さんの研究内容は人助けになる薬の開発という点でとてもカッコイイのですが、それにも増して彼の人柄がとてもカッコイイと感じる人も多いのではないでしょうか?