フェイダウェイ・シュート

バスケ史上最もカッコいいのに、最も難しいシュート
「フェイダウェイ・シュート」を徹底解説する

~中高生の頃、体育館の隅で1000本泣きながら打った俺の話~





まず結論から言うと
フェイダウェイは誰でも真似できるけど、誰も完璧にはできない。
それがこのシュートの魅力であり、残酷さです。

フェイダウェイとは何か?(超簡単に)

  • ディフェンダーに密着された状態でジャンプ
  • わざと後ろに倒れ込みながら(=Fade away)シュートを打つ
  • これによりディフェンダーのブロックを完全に避けられる → 見た目は神、難易度は地獄

なぜこんなに難しいのか? 物理的に解説

  1. 下半身の力がほぼ使えない
    普通のジャンプシュートは「膝→腰→体幹→腕」の順でパワーが伝わる。
    でもフェイダウェイは体を後ろに倒すせいで、下半身のバネが完全に死ぬ。
    → 結果、腕と肩の力だけで10フィート(約3m)以上先、高さ3.05mのリングを狙うことになる。
  2. 距離が勝手に伸びていく
    倒れる角度が大きいほどディフェンダーから離れられるが、同時にゴールからも離れる。
    ジョーダン級の倒れ方だと、元々5mの距離が実質7m近くになることも。
  3. 毎回リリースポイントが違う
    倒れる角度、タイミング、ディフェンダーの手の高さ……全部が微妙に違う。
    同じフォームが再現できないのに、同じ軌道で入れないといけない。
  4. 着地場所の計算も同時にやってる
    倒れた勢いでコート外に出たらアウト。
    相手にぶつかったらチャージング。
    だから「シュート成功」と「安全な着地」の2つを同時に頭で計算してる。




フェイダウェイが試合で使えるようになるまでの地獄のステップ

俺が中学生~高校生の時に実際にやった(そして何度も心が折れた)練習メニューです。

  1. ノーマークで100本連続成功するまで帰らない
  2. 徐々に後ろに下がりながら100本
  3. 倒れる角度を大きくしながら100本(ここで腕が死ぬ)
  4. パッシブディフェンス(手を上げてるだけ)で50本
  5. ガチコンテストで30本
  6. 試合で「ここしかない!」という場面で初めて実践 → ここで初めて「確信」が生まれる

大体99%の人が4~5で挫折します(俺も何度もやめた)

「確信」がすべて

最大の壁は技術じゃなくて「これ絶対入る」という確信です。
ディフェンダーが全力で飛んでくる試合で、
人間は無意識にフォームを縮こまらせてしまいます。
それを抑えて「倒れ込む」には、何千本もの失敗が必要。

ジョーダン、コービー、デローザン、KD……
彼らがクラッチで平然とフェイダウェイを打てるのは、
何万本失敗して「確信」を身体に刻んだから。





40歳のおっさんになった今でもやってる理由

今でもたまに拾いバスケに行くと、
条件反射でフェイダウェイ打ちたくなります(datas(笑)

で、だいたい 「ズルッ」→エアボール「当たってもリングに嫌われる」

でもたまに、ポロッと 「あ、これだ……」 って入る瞬間があるんですよ。

その一発のために、
中学生の頃から30年近く、
体育館の隅で倒れ続けてるわけです。

最後に

フェイダウェイは 「誰でも真似できるけど、誰もマスターできない」
それが最高にカッコいいところ。

もし今、体育館でフェイダウェイ練習してるキミがいるなら、
絶対に諦めるな。

いつか必ず「あ、これがあの感覚か」って日が来るから。

俺はまだその日を待ってる、44歳のおっさんより。

(追記:ジョーダン5でフェイダウェイ打つと滑ってさらに難易度3倍になるのは内緒だ)





倒れ続けることに意味がある


フェイダウェイは人生みたいなもんだ。
何千回失敗しても、次の一発のために立ち上がる。
それがバスケの、青春の、全部だ。